Wonderful World

南アフリカ・ジンバブエの日々 海外協力隊

本「境界の町で」

夏の読書週間、続いています。

最近読む本読む本

主人公が私と同じ歳なの、なんででしょう笑

33歳。絶賛もやもや期!

そんなときに読むといいよとお勧めされた本です。

3.11のエッセイです。

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原発復旧工事に当たる作業員など赤裸々に描写する貴重なノンフィクションである一方、福島と東京に板挟みになって彷徨するひとりの女性の私小説でもある。

www.news-postseven.com

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 なんとなくどれも気になる言葉たち。

 

震災当時、東京にいた作者は

夫と別居中、家族と絶縁していて

誰からも心配されず誰からも探してもらえなかった。

そして作者も誰のことも心配せず探すこともなかった。

でもふと、別れた前の恋人の元へ行くんだけど

やっぱり必要とされてなくて。

被災地したわけでもなく、孤独が、震災で浮き彫りになった。

途方もない規模でたくさんの人たちが「大切な人探し」が始まった。

でも本当の意味での「大切な人探し」が始まったのだ。

 

なんだかこの最初の書き出しの時点で

「あー、私も大切な人、いないなあ」と気づいてしまった。

 

作者はtwitterで震災にまつわるたくさんの情報を集めては発信していたが、

もういてもたってもいられなくなり

福島に取材をしに通うようになり、どんどん東京に違和感を感じ始める。

そして福島で自分の居心地の良さや悪さ、居場所があったりなかったりを

感じ始め

大切な人もできそう、、、になる。

 

決して報道されることのない、被災地のリアルな写真や言葉。

思った以上に人々の意見はバラバラだ。

 

私が東北へボランティアに行った時に聞いた話だと

ボランティアで、うつ病の薬を夜に大量に飲んでる人とかもいるとか。

同じ場所で悩むくらいなら、行動して別の場所で悩んだって同じだ

みんなどうしようもなく、「普通」ができないのだ

 

感想がうまく書けないんだけど

でもどんなに心がつかみどころがない不安に引っ張られても

こんな風にアウトプットしたことは素晴らしい。

これだけで彼女の中で福島は風化しない。

 

また思いつけば書きたそう。

でもただ言えることは、不安な時ってそれがよくわからないから不安なのだ。

それをわかるためにやれることはいくらでもある。たとえわからなくてもいいから。

 

夏の暑さでぼーっとする時は、ドキッとするような現実を知るのがいい。

 

でも今日はこの本を読み終えて

なんだか言葉が出てこない