嘘みたいな本当、本当みたいな嘘
各地で豪雨の被害。
たくさんの人が亡くなった悲しみの日本列島の、翌朝。
私の住んでる地域は、打って変わって、晴れだ。
川の水は、まだ汚い色をしているけど。
七夕の笹飾りの残りも流れていた。
今日は、お芝居を観に。
なんでかっていうと、不思議なご縁から。
北海道に、オーストラリアのお話会をしに、
一週間行ってた時に、免許証をコピーした。
その時にコピー機に免許証を忘れてきてしまい、
それを送ってくれた見知らぬ恩人がいる。
免許証を受け取ってびっくり。
それを送ってくれた人が、お芝居をしている人で、
なんと私の住む地域にやって来るという。
免許証と一緒にチラシが同封されていた。
しかも、札幌公演と津公演の2公演のみ。
嘘みたいな本当の話だ。
多分、免許証の写真を見て、
私が、汚いおっさんとかだったら、チラシは同封されてなかったかもしれない。
お芝居のタイトルは「歌は自由を目指す」
お芝居が始まる前に、弦巻楽団の方のご挨拶を読む。
自分が演劇に惹かれる理由:今、ここに対峙することが絶対に問われるからです。そのスリルが好きなんだと思います。
スリルとか、試される感じ、私もめっちゃ好きだなあと思う!
多分この芝居は面白いんだとすぐに直感でわかった。
お芝居はとても面白かった。
ストーリーはこんな感じ。
でも実際は、もっとハチャメチャです笑。
お芝居のチラシって、本当に作るの難しいだろうなー。
全くここからどんな内容か想像できなかった。
でも自由奔放な兄と、真面目な弟、ちょっと冷静な中立の立場から二人を見てる妹。
(この設定は、アナ雪の、アナとエルザもそうだなあー、この対照的な感じ、すごく面白い。)
兄は言います「自由ってのも大変なんだよ!疲れるんだよ!」
わかるー、笑。今、私まさにそれだから。
疲れるし、飽きて来る。
弟は妹にこう言われます。
「みんなのために。誰かのために。結局そう言ってんのが楽なんだよ。
自分のこと考えなくて済むから」
その通り。
この弟は、みんなのためにとか言いながら、「自分の向き合うべきことから目を背けること」がやりたくてやってるんだと思う。
結構これに当てはまる人、多いんじゃないかなあー
自己犠牲っぽく見えて
でも自らそうしたくてそうしてる人。
兄弟たちは、自分たちなりの自由を目指します。
にしても、この人たちの家業が、漬物屋という設定が面白いな。
お芝居って、台本があって、演じる、つまりフィクションなわけだけど
でもリアルなんです。
うちの近所にありながら、初めて訪れた小劇場。
小さい劇場だといいことは、非常灯を気にしなくていいこと。
でかいホールだと、緑の非常灯が消せないから、なんか、気になってしまう。
役者さんたちの息遣いや温度を感じ、同じ空気を吸い、
目撃者というか共犯者になるような一体感が楽しかった。
黒く塗られた小さな空間の中で、BGMもなく
役者たちの演技だけで魅せる1時間半。
室温は、役者と観客の体温でだんだん上がっていくのを感じる。
声量がすごいー!!!
シンプルだなー。
「人生で大切なことはそんなに多くない」(繰り返し出てきたセリフ)
本当にそうだと思う。
嘘みたいな本当、本当みたいな嘘だったら、
まちがいなく「嘘みたいな本当」が好きだ。なんとなくそう思った。
そっちの方が面白いから。
お芝居を見て、なんだか「自分が生きている」っていう手応えみたいなのを感じた。
これは、時々、観ないといかんな!
私が、免許証のお礼の手紙を書いたんだけど
彼は、それを持ってきてくれていたので、一緒に写真をパチリ。
「お手紙書こうと思ってたんです!」って、
文通始まるやないかい笑。
彼は、「青春」ってキーワードを持っている人だった。
飛んだり跳ねたり、叫んだりギター弾いたりする中で
キラリとしたものが滲み出ていた。
さて、「歌は自由を目指す」の役者さんたちはそれぞれ自由を目指して旅だった。
私は、自分なりの自由を目指そうか。
素敵なお芝居との出会いを、どうもありがとう!
向こうの方に、モクモクとした、夏の入道雲みたいなのが見える。
あー、夏なんだなあーと思う。
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弦巻楽団